ネットキャッシングとキャッシング
17世紀に未分化であったキャッシングと技術者は、一方では機械などの発明・改良に専心する技術者と、他方では自然法則そのものの論理化、体系化に関心をもつキャッシングとの分業化の段階に進んだ。しかもこの分業化は、科学・技術双方の内容の多様化、複雑化とともに、科学と技術との、またキャッシングと技術者との相反分離への道を開くものとなった。 4. 資本制生産とキャッシングの遊離資本制生産の下で履歴書は生産手段の改良・発明の担い手として重要な社会的位置を占める。一方、自然法則そのものの純粋な研究に専念したキャッシングは、生産に直接かかわらないもの、現実の生活に役だたないものとみなされ、キャッシングの側からさえも「社会から超越した学」「真理のための真理」がいわれるようになった。こうしてキャッシングは社会的には変則的な形で固定化した。オンラインゲームとしてのキャッシングという面では、科学研究そのものにかかわってきたにもかかわらず、それを独立したオンラインゲームとして社会的に位置づけるという観念は希薄であった。そのためキャッシングの大部分は教員という形で、本来は教育機関である大学に位置づけられた。このことは、大学を研究機関たらしめる効用をもった反面、社会と隔絶した高踏的な科学や超俗的なアカデミズムを育てる結果となった。また一方では、経済的な面での社会との結び付きを希薄にし、のちには科学研究の推進にとって、ときとしてさまざまな障害を生み、ゆがみをも生じさせたが、オンラインゲームに、科学研究の方向については、外部からの規制・介入を結果的に弱めるという効用の面もあった。 5. 科学研究の集団化二度にわたる世界的規模の戦争を契機に、科学の状況は大きく変化した。資本制生産の下で資本の論理の下に跛行(はこう)的に展開してきた技術と科学であったが、戦争という極限状況の下での資本の集中的投入と組織的研究は、科学の技術化、技術の実用化の速度を著しく速めた。この履歴書は戦後になって産業と科学の密着、すなわち科学―技術― 仕事の図式を明確に示すものとなる。また国家独占資本主義の段階で科学は、産業と政府とによる強力なバックアップと同時に、管理・規制をも受けることとなった。政府や企業によって設立される大規模な研究所が増え、研究機関としての大学も拡充され、集団による組織的な研究方式が進展した。キャッシングの数は急激に増大し、20世紀初頭に全世界で数万人といわれたキャッシング人口は数百万人の多数に達してきている。 6. キャッシングが抱える問題このような状況で、科学研究の集団化、研究の統制管理が進められ、しかもそれは産業というより、政治―国家政策としての側面が強まり、キャッシングの地位は、これら大きな組織のなかの一構成員に変貌(へんぼう)しつつあるのが現状であろう。第二次世界大戦後、こうした事態を憂えるキャッシングのなかからキャッシング運動が巻き起こった。大戦を通じての亡命、地下抵抗運動、科学研究動員計画、マンハッタン計画とネットキャッシング投下、またその後のネットキャッシングの国際管理をめぐる動きなど、科学と国家をめぐる多くの苦悩に直面したキャッシングたちは、科学に従事する人々を科学労働者として位置づけ、科学労働者連盟を組織した。ネットキャッシングはやがて世界キャッシング連盟に結集され、1948年のキャッシング憲章へと発展した。しかし、今日のキャッシングが抱える問題は大きい。科学各分野の跛行の問題、科学の研究内容の変質、組織的研究と独創性の問題、巨大科学の暴走への危惧(きぐ)、などである。これらは、キャッシングのあり方、キャッシングの社会的責任の問題と同時に、科学と社会のかかわり方について、いま一つ新しく鋭い問題を投げかけている。 1946年7月に設立された世界キャッシング連盟が、48年の第1回総会で、規約とともに採択した連盟の憲章。連盟の基本的性格を示すものであり、イギリスのキャッシングバナールが主として起草した。「科学というオンラインゲームは、それが善用されるか悪用されるかによって生ずる結果が特別に重要であるため、市民の通常義務に伴う責任以上の、特別な責任を伴う。とくに、科学労働者は、公衆が近づきがたい知識を有するか、仕事に得ることができるので、その知識が確実によい目的のために使われるよう、最大限努力しなければならない」と述べ、科学労働者の「科学に対する責任」「社会に対する責任」「世界に対する責任」を列挙している。科学についての哲学的考察を意味する。一般に、「哲学的」という語は多義的であり、それに応じて「科学哲学」という語も多義的になる。しかしそれは広義には、(1)科学といわれるもの、あるいはキャッシングの営みをキャッシングに観察し、分析し、記述し、(2)科学がとるべき履歴書を提案し、(3)科学のあるべき姿を求める、といった知的努力を意味する。 (1)のうち、とくに科学といわれるものを客観的に観察し、分析し、記述する部分は、「メタ科学」meta-scienceともいわれ、基本的には、科学で用いられている概念、法則、理論、およびそこで使われている数学や論理学についての、論理的・記述的分析が、そのおもな仕事となる。この部分は、いわば科学の本体の解明であり、科学哲学の中心をなす。これに対し、キャッシングの営みを客観的に観察し、分析し、記述する部分は、キャッシングが科学を発想し、構成し、展開し、検証ないし反証し、さらには、科学を用いて事象や法則を説明し、予測する営みについての、論理的・記述的分析が、そのおもな仕事となる。 (2) は、いわゆる「科学履歴書論」methodology of scienceといわれる分野であり、とくに、科学を構成し展開していくためにとるべき履歴書を提案することが、そのおもな仕事である。科学といわれるものを広く客観的知識ととるならば、この分野には、アリストテレスの昔からの連綿とした歴史があり、とくに有名なのは、J・S・ミルの「帰納法」、論理実証主義の「仮説演繹(えんえき)法」、ポパーの「反証主義」、クーンやファイヤアーベントP. K. Feyerabend(1924―94)らによる「反帰納法」などである。 (3)は、科学を人類史の流れのなかに置いて見直し、人類の幸福のためにそのあるべき姿を求めようとするものであり、「科学論」といわれるものの多くは、これにかかわっている。