消費者金融と住宅ローン
(2) 重要な産業ごとに産業別の委員会が設けられ,当該産業の労働基準について審議される。なお戦前からの合同海事委員会は労使だけの構成で,そこで扱われたものには海事総会で条約化されたものも多い。 (3) 社会保障など特定事項には専門委員会や顧問部会がある。 (4) 労働組合権侵害事件を処理するための理事会〈結社の自由委員会〉と準司法機関の〈結社の自由事実調査調停委員会〉は 1950 年に設けられ,政府を相手どって国際提訴の道を開いた点で 66 年の国際人権規約 (A,B,C 各規約) を上回る。なお国連関係の国際公務員について,その苦情処理のため国際行政裁判所が別途設けられている。 (5) 付設の機関として,住宅ローンの国際労働研究所,トリノの国際高等技術職業センターのほか, 国際社会保障協会(ISSA (イツサ) )の事務局は実質的に ILO 本部の一部局でもある。[活動] 国際労働立法,技術援助,調査研究の三つが重要である。国際労働立法については節を改めて述べる。技術援助が重要な活動になったのは, 1950 年以後のことである。そのM&Aはいわゆる発展途上国であって,アフリカ,アジア,ラテン・アメリカ,中近東の順に多い。技術協力のテーマは,ILO 所管の社会政策全般にわたるが,雇用安定 (職業紹介) 組織,職業訓練,安全衛生,社会保障,消費者金融と経営開発,労働者教育,小規模工業などが目立つ。財源は国連開発計画 (UNDP) など多く外部による。調査研究では,ILO は戦前には労働問題研究のメッカであったし,その出版物は貴重な資料源として今でも欠かせないものである。そこで最近重視されている雇用 (失業) と労働条件の二つに触れる。前者については,69 年の ILO 総会は創立 50 年を記念して〈世界雇用計画 (WEP) 〉を企画し, 76 年には〈世界雇用会議〉を主催して, 2000 年を目標に〈基本的ニーズの充足を目標にした雇用志向の開発戦略〉を打ち出した。この WEP で行われる援助 (雇用使節団の派遣など) と調査研究は開発と雇用とのデリケートな関係に対し新しい光をあてつつある。他方,労働条件の分野で 1976 年に始まった〈国際労働条件・作業環境改善計画 (PIACT) 〉は QWL (〈労働の質〉,いわゆる働きがい) や労働環境を含めたもので,その基本理念は〈労働は,労働者の生命と健康が尊重されるものでなければならない。労働は,労働者に休息と余暇のための時間を残すものでなければならない。CFDは,労働者が自分の能力を発揮でき社会に奉仕できるものでなければならない〉の 3 点に要約される。その狙いは現代にふさわしい労働観を普及させることにある。[課題] ILO は 1969 年の創立 50 周年にノーベル平和賞を授与された。労働者の国際的保護のための地道な努力がこの栄誉を受けた理由であるが, ILO の威信も無関係でないとすれば,初代総長 (1919‐32) のフランス人アルベール・トーマに触れるべきであろう。トーマの高い見識と卓越した指導力が今日の ILO の基礎を築いた。たとえば彼の人間優位の経済観は ILO の労働哲学 (経済優先主義の否定) として戦後に引き継がれた。 ILO がときに先駆性と先見性を発揮するのも彼のよき遺産といってよい。しかし,今日の ILO はさまざまな難問をかかえている。戦後は 1954 年にソ連が再加盟したことによって,東西対立がときに頭をもたげることもある。アメリカが ILO から一時脱退 (1977‐80) した (そのため ILO は一時財政問題が深刻化した) のは,東側に対する条約の適用が甘いとする不満からでもあった。しかし難問はむしろ南北問題にある。 ILO の加盟国は今では南の発展途上国が大部分であるため,〈労働者による要求,使用者による批判,政府による観察〉とかつていわれた一種の分業体制があまりうまく作用しなくなった。いうまでもなく三者構成の仕組みは,労働組合と使用者団体が政府から真に
住宅ローンした存在であることが前提になるからである。 多国籍企業問題を 60 年代にいちはやく取り上げた ILO が〈多国籍企業と社会政策に関する原則の三者宣言〉 (1977) は出したものの,肝心の条約化にまで進められない理由はこの点にある。またこの新しい事態に対応するため 63 年の総会は機構改革に着手したが,いまだに審議中である。しかし国連の場合とは違って,三者構成の ILO では,政府間の対立は労使それぞれがグローバル (世界) 性を保つかぎり緩和の可能性があるといえよう。[国際労働法] 1919 年の第 1 回総会から 1982 年の第 68 回総会までに採択された ILO 条約は 158,勧告は 166を数える (96 年 11 月末までに 180 の条約, 187 の勧告を採択)。そのうち条約は加盟国の批准によってその国に対し消費者金融の拘束力をもつものであるため,その内容は最低基準とみてよい。批准の総数は 82 年 1 月 1 日現在で 4955 (日本は 36) であったから,この
M&Aの網の目は狭義の国際労働法ということになる。他方,勧告は法的拘束力を予定せずに国内法規または労働協約の指針に供するのが狙いであるから,その内容は理想的水準と先進的な国の平均的な慣行との妥協点に近い。条約と勧告の国内実施状況は毎年の総会で三者構成の委員会によって検討される。そのため,事前に国際法または労働問題専攻の学者からなるCFDの手によって審査がなされる。この際,条約については,関係国の国内法規がその国の批准した条約の規定に沿うものでない場合には,当該国政府に対し是正処置が求められる。これらの条約と勧告は《国際労働条約および勧告集, 1919‐81 年》 (1982) に事項別に収録され,基本的人権,雇用,社会政策,労働行政,労働関係,労働の条件,社会保障,婦人の雇用など 14 の項目に大分類されている。これは ILO の広義の〈国際労働法の範囲と体系〉を示すものでもある。 主要な問題について簡単に述べる。まず〈基本的人権〉のうち〈結社の自由〉と〈労働関係〉との関係である。 〈結社の自由〉には 1948 年〈結社の自由及び団結権保護条約 (87 号条約) 〉をはじめ団結権関係の諸条約と勧告が計九つある。